インバウンドの取組み 別所温泉 上松屋旅館 倉沢晴之介さん④

つづきです。今回は倉沢さんの今後思い描いていることについてです。

質問「今後の目標、夢について教えてください」

今後のこと・目標? についてはまだまだ一施設としてもそこまで成功とは言えないので、すべての内容をより改定して向上していくことですね。

行き詰っていることを長いスパンで考えていく必要があり、かなり重要なのは地域全体の受け入れ態勢とPRだと思います。

長野県全体で30万人/yearくらいきている外国人は上田では1万にも満たないんですね。もとがこれでは、うちがいくら頑張っても厳しいですよね。

ご存じかと思いますが下記で県の訪日箇所トップと多い国、目的を挙げてみますね。

1位白馬(AUS:スキー客とトレッキング)

2位長野市(TWN:県庁だし団体や企業含め色々多い)

3位松本(国宝の城:いろんな国がまんべんなくらしいです)

4位軽井沢(HKG,TWN:避暑地別荘の知名度とショッピングですね)

5位茅野(TWN:修学旅行や田舎体験)

次いで山ノ内(AUS、欧米:猿ですね)、大町(TWN:ダムですね)

とこのように其々明確なPRポイントがあります。

上田にはそれがいまいち見いだせておらず、とがったものがありません。

ないというよりPRできていないといったほうが正しいかもしれません。

うちとしてもそこはなんなのかうまくPRできない部分もあります。

この辺をうまく全体で一つのものに特化していけば上位に入ってきそうですね。それがなく、まとまりも薄い部分でインバウンドに対する温度差が地域や施設ごと大きいのも悪い特徴になっちゃってます。。

最終的??な夢みたいなものは、だれもが外国人にやさしい街・・っていうことでしょうか。街行く人も各国のあいさつが飛び交ったり、しゃべれなくても一生懸命案内する人なんかが増えてくれるとうれしいですね。

当館では「一人旅」に特化したブランディングと受け入れをしています。

一人旅でも受け入れない旅館がまだまだ多い中、外国人なんてもってのほかですよね、そういう方にたくさん来ていただき、他の一人旅のお客さんと一期一会のコミュニケーションをとってもらえるような宿にしたいですね。

うちは露天風呂にビールを配達するサービスがあるんですが、 日本人、韓国、香港、欧米、台湾などみんな言葉が通じなくても露天風呂で乾杯しちゃってるみたいなの理想ですね^^

そういう出会った人がFacebookとかでうちのページを通じてまた友達になって、、みたいなのは面白いですよね。

吉澤「 やはり地域全体の取り組みが必要ですね。どのようにPRしていくか・・考えていきたいです。また一人旅をもっと受け入れられる環境にすることも必要だとわかりました。」

今回のお話は以上です。詳しいお話ありがとうございます。もちろん、これからまだまだ聞かせていただけると思いますので、またそのときはアップしたいと思います。

2012.06

インバウンドの取組み 別所温泉 上松屋旅館 倉沢晴之介さん①
http://foods.naganoblog.jp/e1095960.html
インバウンドの取組み 別所温泉 上松屋旅館 倉沢晴之介さん②
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2012年09月08日 Posted by シフォン☆ at 07:03別所温泉 上松屋旅館

インバウンドの取組み 別所温泉 上松屋旅館 倉沢晴之介さん③

つづきです。今回は外国人客のマナーについて

質問「お客さんのマナーはいかがですか」

これはそんなに悪くないです。

敷いて言えばマナーというより「旅館の使い方」があまりわかっていない方が多い気がします。

たとえば:

・チェックイン時間がやたら遅い・事前連絡がない場合:

ホテル感覚だと食事なしがベースなのでいいんですが、1泊2食で会席だときついです。

以前ある国の小団体が10名くらいいらしたときは22:00に事前連絡もなく、AGT経由でこちらから直接コンタクトする手段なく、夕食は簡単なもののみ用意してあきらめてもらいました。迷ったらしいです。



・連泊の時、夕方くらいにその日の夕食をキャンセルしようとする

 完全無計画型外国人はこんな感じです笑)


・トイレを汚す 汚すといっても東南アジア系とかは紙をトイレに流さないので散らかりまくってたりゴミ箱満タンっていうレベルです。


・靴のまま畳に これも仕方ないですね。


いま思いつくのはそんな程度でしょうか。うちでは事前に説明しているのでそこまで問題にはなりません。

ですが、このあたりは、受け入れ側の案内不足ともいえる部分はあるので、宿泊施設だけでなく、観光庁など行政やガイドブックなどで「過ごし方」をよりうまく提案・案内できる仕組みがあれば、それぞれ言語対応できなくても「こういうもんなんだ、こう過ごすのが日本的なんだ」という感じで自然に広まる一歩でもあると思います。

このあたりも、吉澤さんが進めているアンケートで『食文化』に対するものはざっくり実際の具体的消費需要はなにか?を探るものかと思いますが、そういう「日本に来て困ったこと、あれば便利なものや案内にほしいもの」等もアンケートとるといいかもしれません。

前者はマーケット需要を探りポテンシャルを導き出しPRや集客につなげるもの(全部ではないですが)で

後者は次回来た場合或いは別の旅行者が来たときの満足度やユーザビリティを高めるもの

になるかと思いますのでこのあたりも注目すべきところですよね!!

英字メニューなんかは、事前にそういうメニューがあって便利というPRと来てからの満足度につながるので両方の観点からの見方もできますね。

吉澤「確かに、事前に説明があるかないかで全然違ってきますね。AGT経由でも直接連絡とれる手段がないと、いざというときに困りますね」

つづく・・
2012.06

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2012年09月08日 Posted by シフォン☆ at 07:02別所温泉 上松屋旅館

インバウンドの取組み 別所温泉 上松屋旅館 倉沢晴之介さん②

つづきです。今回は旅の目的と言語について

質問「上松屋旅館さんに来られる外国人のお客様は何を目的とされていますか」

うちに来るお客さんは何を求めてくるか…についてはこれ!!っていうのは正直答えられません。。

ざっくり、だれでもわかりそうなことですが、やっぱり「旅館の過ごし方」というものを求めてきます。料理が一番多く、次に部屋や温泉ですかね。

あとは周りの自然が大事だと思います。

よく信州の鎌倉といわれる文化財が多い別所、外湯も数か所ありますが、それを外国人に具体的にPRしてもあまり意味なさそうです。

実際それをめがけてくる人はあまりいませんでした(何となく温泉地と周りに何かあるって感じで来てから歩いてみる程度です。自然がある山のほうっていうことは分かっているので、そこをハイキングとかで満足してついでに、文化財のみどころあるのですごく気に入ってくれます。)

なんとなくぼやけた回答ですが、、この辺も細かく言うとまとまらなくなりそうなのでまた今度お話します。

あとどこでも言えそうなことですが、旅行デスティネーションとして選択される要因として、日本では「他の温泉地とくらべて**が名産、温質が違う、旅館の特性が違う、周りに他にはない**がある、魅力は**だ」みたいに差別化を図りますが、うちでやっていることは、もちろん差別化はしますが日本MKTとは違って「ここにこういう旅館と温泉地がある」ということを知ってもらうことです。

要は知ってもらうことですね。「東京と京都と名古屋の間にある、自然や温泉街がある、この旅館はFBや色んなネットででているからよさそうじゃないか」ということですね。

多いパターンが東京で都会を楽しむ(ショッピング、モダンライフスタイル)→長野で田舎の旅館スタイル→もう1か所どっか日本的な場所(このあたりだと松本城を見るとか)→京都でトラディショナルジャパニーズスタイルというパターンです。

その「田舎の旅館」という位置で選択肢の候補の一つに入ってもらえばいいので。

そこに選ばれるためには事前のやり取りだったり、PRやウェブMKTGだったりSNSだったりではないかと。

吉澤「国内の主要都市をライバルとするのではなく、『立ち寄れる場所』としての位置づけですね」

質問「旅館を出られた後、お客さんは言語はどうされているのでしょうか」

正直わかりません笑 し、こちらからも大してケアしないし、向こうからも「**に電話してくれ!」とかあまり言われません。(たまに次泊まるホテル紹介してほしいとかいわれますが)

日本人がよく海外旅行で考えることは、「どこでも日本語が通じるところのほうが便利だし安心できるしよい」ですが、外国人客の旅行過程のトータルの中では重要ではないと思います。

どっかの場所で適当に聞ければあとはなんとかなる精神です。

うちはその「どっかの場所」として選ばれればよいわけです。

逆を言うと全部の旅館が全部その言語対応できる「どっかの場所」である必要はないわけですね。

そういう意味で多くの旅館ホテルさんが懸念されている「語学の問題」は集客的差別化要素になくても大きくマイナスにはなりません。

体当たり対応で経験積んでカバーしていけます。


吉澤「確かに。この考え方だと、ある一定のエリアにひとつ、そういう場所があればいいんですね。」

つづく
2012.06

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2012年09月08日 Posted by シフォン☆ at 07:01別所温泉 上松屋旅館

インバウンドの取組み 別所温泉 上松屋旅館 倉沢晴之介さん①

長野県別所温泉にある上松屋旅館を経営されている倉沢さんにお話をお伺いしました。

SNS、ネットを使った世界からの集客に成功されており、インバウンドについてもとても詳しくていらっしゃいます。

数回に分けてお知らせします。

私からの「外国人客誘致の方法は?」の質問から・・



外国人客誘致の方法については、温泉地と旅館を周知させることが必要。外資系AGTとの契約も一つの手。(Expedia,booking.com, agodaなど)



よくある誘致商談などでは小さいところしか来ない上、労力がかかる。また何かに特化しているところや有名どころから実施しているところが多いので、そこから外れる地域にとっては遠回りになってしまう。



元々日本以外の外国人はグループで行動しないのでグループを獲得することはターゲットにしていない。中国人マーケットもまだまだ旅行先のパターンが変わっていないので、対象とするには早い。



そういう意味では、FIT色の強く直近で自由に予約できるネットが有効。



(倉沢さんの旅館では英語・中国語対応可能なため、オペレーションについても問題なし、基本の外国語案内所類に加えて、おしながきなども作っています。こういうところは長野県では稀ですね。)



最近多いのが直接メール問い合わせでのやりとりでも予約につながっている。

あとはfacebookなどのSNS。は日本の旅館で一位ファン数をもっており、95%外国人。





プロダクトについても、日本人に売り込むのとは違った提案をしている。よくあるパターンで日本人向けパンフレットをそのまま訳すことがあるが、外国人には意味不明になる。デザインも好みや趣向もちがうので。 ないよりましだが。



全体的に外国人客にマッチした上松屋さんのコアコンピタンス4つ



①言語対応の信頼性

②ソーシャルネットワーク

③ブッキングチャネル増強

④プロダクトの見せ方や売り方





(つづく)
2012.06

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2012年09月08日 Posted by シフォン☆ at 07:01別所温泉 上松屋旅館